Me First and the Gimme Gimmes in SHIBUYA

 11月の月曜の夜です。
 憂鬱な月曜を、(なんなら入居してるビルが消防訓練の日でもありましたよ)ちょっといい感じにしてくれる。アメリカからやってきた、真面目にふざけているおっさん達、、、それがMe First and the Gimme Gimmes!

 ギミギミズはオリジナルもリリースしているけど、カバーバンドという側面が強い。私は特に、ディーバたちの名曲をカバーしたアルバム『Are We Not Men?We Are Diva!』が気に入ってます。Top of the World(カーペンターズ)からの流れが良いから。

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 さて、月曜でも人の多い渋谷ハチ公口を抜けて、道玄坂を上がって、ホテル街の方に折れると、渋谷O-EASTがある。実は初めて行ったので、あそこら辺のライブハウスのどれに入ればいいのかわからず、リーマン風のおじさんに教えてもらった。19時開演に少し遅れたけど、運よく1曲目から聞けた。
 今日は、ゆっくり見るのだ、なんならもう鞄もロッカーに入れなくて良…いや、やっぱ入れるわ。爆音が鳴った瞬間、思い切り楽しめない感覚にいら立ちが芽生えた。結果としては、ロッカーに鞄入れててよかった。

 だって、めっちゃくちゃ楽しかったから。

 フロアは、平日昼の中央線くらいの人混み具合で、モッシュピットは勢いよくぐるんぐるんできるくらい。いっぱいのフロアもいいけど、気ままにノれるこれくらいの混み具合も、ギミギミズのラフさには合ってると思った。
 久しぶりの日本での単独ツアーなので、彼らがカバーした日本語曲ももちろんやってくれた。汗かいて透け乳首をピンで挟もうとするし、ミラーボール降ろして「俺らディーバだし!!」って歌うのもなんだかおもしろい。深刻さはなくて、音楽って楽しむんだよ~肩の力抜いて、こうやるんだって言われてるみたいな気楽さ。
 ひりひりしていて、オーディエンスとけんかする勢いのバンドもいますよね。それはそれでいいけど、成熟した気楽さで繋がれるバンドと観客の関係性も素敵だと思った。形はそれぞれなのだ。自由でいいのだ。

 失敗は、とても会社員っぽい恰好で参戦したので、肩口にワイシャツが引っかかる、そりゃあ引っかかる。あと、お金がないのに、やっぱりTシャツ買って帰ったこと。お金がないけど物販買っちゃうよね、っていう反作用的な自慢とかうぬぼれじゃなくて、やっぱり機会は貴重だから買ってしまう。
 ライブもそうだけど、こんな素晴らしい時間と音とを、何と比べられるっていうんだ?何と引き換えられるっていうんだ?こんなに、体の痛みも、憂さも、疲れも忘れて夢を見られるのに。そのお土産とバンドへの応援として、お金を落としたいんだよ。

 「人の曲をやってるよ(PLAYING OTHER PEOPLE'S MUSIC)」ってシャツを買って、帰宅して即着替えて、こうして感想を書き残している。

 何かに強いコンプレックスや反発は感じさせず、音楽は楽しいし、素晴らしい曲は素晴らしいんだよ、ってギミギミズが言ってるような気がした。誰かの曲のカバーをする、って、愛情と敬意を表す行為なんだと思う。ちょうど伝記映画が公開されているQUEENのフレディがなくなった時も、みんながQUEENを演って、フレディに愛を伝えたみたいに。
 彼らの日本旅行はもう少し続く。彼らに会いに行く方は、とてもいい時間が過ごせると思うよ。あぁ、楽しかった。